2026年2月02日

花粉症やアレルギー性鼻炎は、いまや日本人の約2人に1人が抱える「国民病」です 。 「たかが鼻炎」と思われがちですが、鼻づまりによる睡眠不足や集中力の低下は、仕事や勉強のパフォーマンスを大きく下げてしまいます 。 2026年現在、治療法は大きく進化しています。ご自身の症状やライフスタイルに合った最適な治療を見つけるために、最新の情報をお役立てください。
1. なぜ症状がひどくなるの?(病気の仕組み)
鼻が「敏感」になる前に治療を
花粉を繰り返し吸い込むと、鼻の粘膜が過敏になり、少ない花粉量でも強い症状が出るようになります。これを「プライミング効果(反応の導火線に火がついた状態)」と呼びます 。
ポイント: 花粉が本格的に飛ぶ前から治療を始める(初期療法)ことで、この過敏な状態を防ぎ、シーズンの症状を軽くすることができます 。
症状が治まっても油断大敵
症状を感じなくなっても、鼻の奥では炎症がくすぶり続けていることがあります 。
ポイント: 医師の指示があるまでは、自己判断で薬を中断せず、粘膜を完全にきれいな状態に戻すことが大切です 。
2. 「検査は陰性なのに症状がある」方へ
「アレルギー検査では陰性だったけれど、くしゃみや鼻水が止まらない…」という経験はありませんか? 最新のガイドラインでは、血液検査には反応しないものの、鼻の局所だけでアレルギー反応が起きている「局所アレルギー性鼻炎(LAR)」という病態が注目されています 。 検査が陰性でも、アレルギーのお薬が効く可能性がありますので、あきらめずにご相談ください 。
3. 治療の選択肢
現在の重症度やライフスタイルに合わせて、多様な治療法から選ぶことができます。
① 飲み薬(抗ヒスタミン薬)
現在は、眠気や口の渇きが少ない「第2世代抗ヒスタミン薬」が主流です 。
車の運転や仕事に支障が出にくいお薬(ビラスチン、フェキソフェナジン、エピナスチンなど)も選べます 。
抗ヒスタミン薬では効果不十分な場合(特に鼻閉が強い場合)にはロイコトリエン受容体拮抗薬(モンテルカスト、プランルカスト)を併用します。
② 点鼻薬(鼻のスプレー)
中等症以上の方には、飲み薬以上に推奨される非常に重要な治療です 。
ステロイド点鼻薬: 鼻の粘膜に直接作用し、炎症を強力に抑えます。全身への副作用は極めて少ない安全な薬です 。
③ 重症の方への「注射治療」(抗体医薬)
飲み薬や点鼻薬を使っても症状が治まらない「重症・最重症」のスギ花粉症の方には、「オマリズマブ(製品名:ゾレア)」という注射治療が保険適用となります 。
アレルギー反応の根本原因(IgE)をブロックする治療です。
対象となるには、血液検査の数値などの基準を満たす必要があります 。
4. 根治(完治)を目指す「免疫療法」について
アレルギーの原因物質を少しずつ体に入れて、体を慣れさせる治療法です。唯一、アレルギーを「治す」ことが期待できる治療です 。
舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)
自宅で毎日、舌の下に錠剤を含む治療です。
ダニアレルギー: 「ミティキュア」 。
スギ花粉症: 「シダキュア」
遊離抑制薬:ケミカルメディエータ遊離抑制薬,LTs:ロイコトリエン,PGD2:プロスタグランジン D2,TXA2:トロンボキサン A2
アレルギー性鼻炎は「我慢する病気」から「コントロールして快適に過ごす病気」へと変わりました。
市販薬で誤魔化している方、毎年辛い思いをしている方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献:
2026年版 アレルギー性鼻炎・花粉症の包括的治療戦略と最新知見に関する調査報告書
アレルギー性鼻炎の 最新ガイドラインと最新治療(小児科診療 第 86 巻―秋 増刊号)