2025年5月15日
「血便」
突然トイレで真っ赤な便がでるとびっくりさせると思います。そんな時、何科を受診すればいいか、迷いませんか? その時は、迷わず消化器内科を受診してください。
血便の原因の多くが痔からの出血ですが、大腸がんなどの重篤な病気が隠れている場合もあります。
繰り返し血便が出ていたが気にせず、たまたま受けた大腸カメラでがんが見つかったという経験は何度も経験しております。
血便をきたす病気
感染性腸炎、炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸がん、虚血性腸炎、痔、憩室出血など。
◎感染性腸炎
いわゆる食中毒で、腸に炎症が起こることでじわじわ出血します。下痢症状を伴いますが、通常1週間程度で治ります。
◎炎症性腸疾患
「クローン病」や「潰瘍性大腸炎」という自己免疫の病気です。腸に慢性的な炎症を引き起こす疾患で、若年層に多く見られます。腸の炎症で潰瘍などができ、腹痛を伴うことが多くじわじわ出血します。感染性腸炎との違いは、長期間、軟便や下痢が続きます。
◎大腸ポリープ、大腸がん
腫瘍の表面の粘膜がもろいため、じわじわ出血します。腫瘍が大きくなると貧血やひどい便秘、さらに進むと腸閉塞になることもあります。いつもと違う症状が出た時は早めに受診してください。
◎痔
肛門部からの出血で、鮮血であるのが特徴です。腹痛はなく排便後の出血やティッシュに血が付いたなどの症状があります。軽度の痔の場合は、出血は一時的なものです。
◎虚血性腸炎
腸管の血流が一時的に悪くなった時に腹痛や下痢、出血をきたします。炎症の程度のよっては入院加療が必要になることもありますので、突然の腹痛、出血を認めた場合は早めに受診してください。
◎大腸憩室出血
大腸の憩室は大腸の壁にある袋状の突起物(憩室)ができる病気です。袋の血管から出血すると暗赤色から鮮血の血液の塊が排便されます。大量に出血すると貧血となり輸血や緊急の内視鏡的止血術が必要なこともあります。
・胃が気持ち悪い
・排便時に毎回血液が混じる
・繰り返す腹痛
・持続する下痢
・悪心・嘔吐がある
・便秘がひどくなった
出血に加えて上記のような症状があれば、大きな病気が隠されていることもあるため早めに医療機関を受診してください。
当院では、経験豊富な内視鏡専門医による鎮静剤・炭酸ガスを用いた大腸カメラ検査が可能です。軽い鎮静剤でリラックスし、痛みを抑えた大腸カメラ検査を受けていただくことができます。鎮静剤の量は、患者様の年齢・体格・既往症等により適切に判断しますのでご安心ください。
どんな些細なことでもご相談ください。