2025年8月19日
熱中症とは
熱中症と聞くとご高齢の方が夏場に倒れてしまったり、運動している方が救急車で運ばれたりと怖いイメージがあると思います。その全てが熱中症と呼ぶことが出来ます。熱中症とは気温が高いことにより身体に起こる変化の総称であり、様々な症状があります。このような症状が、見られたら要注意であるという内容を記し、その症状を解説していこうと思います。
症状
1体温が高い、皮膚が熱い
炎天下の中で体温が高くなり皮膚が熱くなっている方がいたら要注意です。体温が上昇すると汗をかき、汗が蒸発することで気化熱として熱を逃がします。
炎天下の中で水分摂取を怠っていると脱水状態になりますよね。そうなると汗がかけなくなってきます。そして熱を放散することが出来なくなります。
体温が高いことも身体にとって有害ですが、それは極度の脱水であることも意味しているのです。ですので皮膚が熱い、体温が高い方を見かけた場合はすぐに医療機関を受診させる必要があります。
2めまい、失神
炎天下の中で気を失ったりふらついたりする人をよくお見かけしませんか?
外気温が高くなると、体温もつられて上昇する傾向にあります。その際に先程は汗をかくことで気化熱を奪われ、体温を下げると言いました。別の方法として皮膚表面の血管を拡張するという手もあります。そうすることで、皮膚の体温を放散させることが出来るのです。
しかし、そうすることで末端に血液が拡散し、中心の脳や心臓に本来あるべき血液が減ってしまいます。一時的に血流が足りなくなった脳はめまいや失神を引き起こすのです。
そのような症状が起きた方はすぐに医療機関を受診する必要があります。
3筋肉のけいれん
炎天下の中で運動をしている際に筋肉のけいれんを起こしている方を見ませんか?
炎天下でスポーツをすると汗をかきますよね。汗をかくことで水分と一緒に塩分も失われます。そうすると血液中の塩分濃度が下がります。塩とはナトリウムが含まれています。筋肉が正常に働くためには適切なナトリウム濃度が必要なのです。なので、ナトリウム濃度が低くなった状況下では普通の筋肉の運動でない、連続に刺激されたようなけいれんが起きるのです。けいれんの程度にもよりますが、処置としてはまず水分補給と塩分摂取です。重度の場合は医療機関の受診が必要です。
4喉の異常な渇き、喉が渇かない
初期症状として、喉の渇きがありますが、水分が消失していくとその渇きが強くなります。また、体温が上昇することで、渇きを感じる器官が異常をきたし、喉が渇いたと感じなることもあります。
重症度
また、症状の重症度によってもその対応はことなります。
1. 軽度(Ⅰ度)
症状:
脱水症状(口渇、喉の渇き)
目眩(めまい)
頭痛
軽い筋肉のけいれん(足がつる)
発汗過多
体温は37~38度
対応:
軽度の場合は、まず涼しい場所に移動して休むことが重要です。水分補給をしっかり行い、塩分を含んだスポーツドリンクなどで電解質を補うと良いでしょう。通常は、自己回復が可能ですが、症状が悪化する前に対処が必要です。
2. 中度(Ⅱ度)
症状:
激しい頭痛
目眩が強くなる
手足がしびれる、または痙攣(筋肉がつる)
高い体温(38度以上)
皮膚が乾燥して汗が出ない
動悸、息切れ
吐き気や嘔吐
対応:
中度の場合は、医療機関への早急な受診が必要です。点滴や冷却措置、電解質の補充が必要になります。体温が高いため、体温を下げるために冷却処置が重要です。医師の指導の下で治療を受けることが推奨されます。
3. 重度(Ⅲ度)
症状:
意識障害(意識がぼんやり、または失神する)
体温が40度以上に上昇
呼吸が早く、深くなる
脈拍が速くなる(心拍数が上がる)
けいれん(全身の筋肉が痙攣)
吐血や下血(内臓障害の可能性)
反応が鈍くなる(反応がない、または反応が遅い)
対応:
重度の熱中症は、緊急事態です。すぐに救急車を呼び、病院での集中治療が必要です。体温を急速に下げるための冷却処置、点滴による水分補給、薬物による処置などが行われます。意識障害が出ている場合やけいれんが見られる場合は、命に関わる危険性が高いため、最寄りの医療機関に迅速に搬送されるべきです。
熱中症の予防
1喉が渇いてなくても前もって水分補給、塩分補給をする
喉が渇いたと感じる時には手遅れになることも多々あります。炎天下で何か作業、運動する際には小まめな水分、塩分補給を心がけましょう。
2体力をつける
熱中症になりやすい環境にいても、健康な身体の方とそうでない方とでは熱中症のなりやすさが違います。普段から適度な運動と良質な睡眠を取るように心がけましょう。