高血圧症とは?【基礎知識と新しい治療目標】|守山市の内科・消化器内科・日帰り大腸ポリープ手術|坂井クリニック

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高血圧症とは?【基礎知識と新しい治療目標】

高血圧症とは?【基礎知識と新しい治療目標】|守山市の内科・消化器内科・日帰り大腸ポリープ手術|坂井クリニック

2026年1月06日

高血圧症とは?【基礎知識と新しい治療目標】

高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれ、自覚症状がほとんどないまま血管や臓器を傷つけていく病気です。健康寿命を延ばすために、正しい知識を持って一緒に管理していきましょう。

1. 高血圧とは?(定義と診断

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す「圧力」のことです。この圧力が高い状態が続くと、血管は常に張り詰めた状態になり、次第に厚く硬くなってしまいます(動脈硬化)。

・診断の基準: 診察室での血圧が 140/90 mmHg以上(家庭血圧では135/85 mmHg以上)の場合、高血圧症と診断されます 12

・新しい考え方 (JSH2025): 最新のガイドラインでは、診断基準の手前である 130/80 mmHg を超えた段階(高値血圧)から、すでに脳卒中や心臓病のリスクが高まるとされています 3。そのため、早めの対策が推奨されています。

高血圧のほとんどは本態性(体質や食生活等の生活習慣に起因するもの)ですが、二次性高血圧と言ってホルモンの異常や腎臓の血管が細くなったり閉塞することで起こる高血圧(腎血管性高血圧)、薬剤誘発性高血圧(漢方薬や鎮痛薬など)もあります。

2. なぜ治療が必要なのか?(合併症のリスク)

高い血圧を放置すると、全身の血管が傷つき、以下のような重大な病気を引き起こす原因になります 4

・脳の病気: 血管が破れる「脳出血」や、血管が詰まる「脳梗塞」のリスクが高まります。

・心臓の病気: 心臓に負担がかかり、「心肥大」や「心不全」、「狭心症」などを招きます。

・腎臓の病気: 腎臓の血管が動脈硬化を起こし、血液をろ過できなくなる「腎硬化症」になります。

3. 目指すべき目標値(家庭血圧の重要性)

病院で測る血圧は緊張して高くなりやすいため、リラックスしている自宅での血圧(家庭血圧)が非常に重要です。

・測定方法: 朝(起床後1時間以内、食事前、服薬前)と晩(就寝前)に、座って1〜2分安静にしてから測ります 5

・降圧目標: 年齢に関わらず、原則として以下の値を目標に下げていきます 36

     診察室血圧: 130/80 mmHg 未満

     家庭血圧: 125/75 mmHg 未満

4. 治療の3本柱

治療の基本は生活習慣の改善です。それでも目標に届かない場合は、お薬の力を借ります。

(1) 食事療法:減塩とバランス

・塩分: 1日6g未満 を目指しましょう。麺類の汁を残す、減塩調味料を使うなどの工夫が有効です。

・野菜・果物: カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることで、塩分(ナトリウム)の排出を助けます。(※腎臓病の方はまずは医師に相談してください)        

(2) 生活習慣の修正:お酒とデジタル、運動

・節酒: お酒は血圧を上げます。1日の目安は以下の通りです 。

男性:エタノール20〜30ml以下(ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎半合、相当)

女性:その半分(エタノール10〜20ml)以下

・アプリ活用: 日々の血圧やお薬を記録できるスマートフォンの「治療アプリ」も有効なツールです。

・運動: 有酸素運動、レジスタンストレーニングは降圧効果があることが示されています。患者さんの背景によって運動の種類を選択することが推奨されています。

(3) 薬物療法

生活習慣の改善だけでは不十分な場合、血管を広げる薬(Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬)や、余分な水分を出す薬(利尿薬)などを組み合わせて治療します。心臓に病気がある場合などは、心臓を休ませる薬(β遮断薬)を使うこともあります。

            参考資料:日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025 (JSH2025)』

坂井クリニックでは、総合内科専門医である副院長が高血圧治療の診療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

                            坂井クリニック 副院長 坂井大志

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