2025年10月01日
インフルエンザについて
10月になり、インフルエンザワクチンの接種が始まりました。今回は、インフルエンザについてお話したいと思います。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症です。
普通の感冒よりも発熱などの症状が強く、例年12月〜3月下旬に流行し、1月末〜2月上旬にピークとなります。インフルエンザはA型とB型が流行します。症状はほぼ同程度ですが、B型はA型に遅れて年明け頃から流行が始まることが多いです。
インフルエンザの症状・臨床経過
発熱(38℃以上)、悪寒戦慄、咳・喉の痛み 鼻汁、鼻閉、筋肉や身体の痛み
頭痛、嘔気や下痢(特に子供で多く認められます)などです。
突然の高熱で始まり、咽頭痛、頭痛、関節痛、倦怠感など、普通の感冒よりも全身症状が強いのが特徴です。
通常は2-3日で解熱し、その頃から鼻漏や咳嗽など呼吸器症状が目立つようになり、完全な回復には1-2週間を要します。
合併症
肺炎、副鼻腔炎、気管支炎、中耳炎、脳炎、心筋炎 などがあります。
合併症のハイリスク者:65歳以上、慢性呼吸器疾患、心血管疾患、慢性腎、肝、血液、代謝(糖尿病など)疾患、神経筋疾患(運動麻痺、痙攣、嚥下障害)、免疫抑制状態(HIV 感染や、薬物によるものを含む)、妊婦、長期療養施設の入所者、著しい肥満、担癌患者など。
インフルエンザ関連肺炎
インフルエンザの主な死因は二次性細菌性肺炎とされています。
肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌による肺炎の合併がある場合は重症化することがあります。
インフルエンザの治療について
抗インフルエンザ薬は有症状期間の短縮と重症化抑制効果があります。
効果が十分期待できるためには発症48時間以内の投与が推奨されています。
インフルエンザワクチン
日本で主に使われているのは2種類のA型ウイルスと2種類のB型ウイルス抗原を含有する不活化4価ワクチンです。(高齢者を対象とした高力価不活化ワクチンも認可されています)。
ワクチンは重症化予防効果と感染予防効果があります(健常人では感染予防効果は70%までとされています)。
65歳以上ではワクチン接種により発症予防効果が34-55%、死亡回避が82%との報告があります。 (日本感染症学会、日本ワクチン学会の見解より)
不活化インフルエンザワクチンの投与法
接種対象者:6ヶ月齢以上
接種回数:6ヶ月〜13歳未満は2〜4週の間隔で2回、13歳以上は1回
ワクチン接種後は10〜14日で抗体陽性となる。
感染リスクの高い医療従事者、65歳以上の人、慢性疾患を有する人など、重症化や死亡リスクの高い人には強く推奨されます。
※65歳以上の高齢者では二次性細菌性肺炎の予防のため肺炎球菌ワクチンも推奨されます。
インフルエンザ予防接種は、当院では
接種日に65歳以上の方の公費接種(守山市:1,000円、野洲市:1,500円、栗東市:1,500円、草津市:1,500円)、自費での接種(3300円:当院では13歳以上の接種としています)を行っております。
※予約制となります。接種希望の方は、web、電話(077-581-0565)、もしくはクリニック窓口で予約してください。
※肺炎球菌ワクチン・コロナワクチンの接種も行っておりますので、詳しくはホームページをご確認ください。