2025年7月25日
帯状疱疹とは?
水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella zoster virus:VZV)が原因で生じる有痛性の皮疹です。VZVは初感染では水痘(いわゆる水疱瘡)を引き起こしますが、過労や加齢、ガンなどで化学療法を行ったりして免疫が低下すると、VZVの再活性化により帯状疱疹を生じます。
80 歳までに約 3 人に 1 人が帯状疱疹を発症するというデータもあります。帯状疱疹はデルマトーム(脊髄神経が支配する皮膚の感覚領域)に一致して身体の片側に有痛性の水泡が集簇するのが特徴です。
(社団法人日本皮膚科学会HPより引用、ヘルペスと帯状疱疹 Q11 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会))
治療には抗ウイルス薬の投与が有効ですが、合併症として帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)があり、皮膚病変が改善しても神経痛が残る場合があります。PNHはしばしば痛みのためQOLを損なうことがあり、帯状疱疹の予防が重要になっています。
(帯状疱疹の合併症はPNHのほか、眼帯状疱疹、顔面神経麻痺、髄膜炎などもあります)
生ワクチンと不活化ワクチン
生ワクチンは弱毒したウイルスを含有するワクチンであり、病気や治療により免疫が低下した方には接種できません。不活化ワクチンは免疫状態にかかわらず接種可能です。
不活化帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)
筋肉注射を行います。2か月以上間隔を空けて2回接種します。
帯状疱疹の予防効果は接種後1年で9割以上、10年でも7割程度とされています。
※2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。
以下に該当する方が対象です。
65歳を迎える方
60~64歳で対象となる方(※1)
2025年度から2029年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳(※2)となる方も対象となります。
※1:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
※2:100歳以上の方については、2025年度に限り全員対象となります。
(厚生労働省HPより)
当院では不活化帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の接種が可能です。
シングリックス:22000円/回 (2回で44000円)
滋賀県守山市では帯状疱疹ワクチン費用の助成制度があります。
【定期接種】令和7年度帯状疱疹予防接種について|滋賀県守山市公式ウェブサイト