
肝・胆・膵の病気
肝・胆・膵の病気
肝臓・胆嚢・膵臓は、消化や代謝、解毒といった生命維持に欠かせない働きを担う重要な臓器です。これらの臓器の異常は、初期には症状が現れにくいことが多いものの、進行すると健康に大きな影響を及ぼします。また、これらの臓器は互いに密接な関係があり、ひとつの臓器に問題が生じると他の臓器にも影響を与えることがあります。
当院では、肝臓・胆嚢・膵臓に関する専門的な診療を行い、患者様一人ひとりに適切な診断と治療を提供しています。以下では、それぞれの臓器の主な病気と特徴について詳しく解説します。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、異常があっても自覚症状が現れにくい特徴があります。しかし、肝臓は体内で重要な役割を担っており、異常を放置すると深刻な疾患に進行する可能性があります。
脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態です。アルコールの摂取が原因の「アルコール性脂肪肝」と、肥満や糖尿病、過食などが原因の「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」に分けられます。
初期には無症状のことが多いですが、進行すると疲れやすさや倦怠感が現れます。非アルコール性脂肪肝が進行するとNASH(非アルコール性脂肪肝炎)となり、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
生活習慣の改善(食事療法・運動)や必要に応じた薬物療法を行います。
肝炎は、肝臓の炎症を引き起こす病気で、以下の種類があります。
ウイルス性肝炎
B型肝炎やC型肝炎が代表的で、慢性化すると肝硬変や肝がんのリスクがあります。
自己免疫性肝炎
自己免疫が肝臓を攻撃することで炎症が起こります。
薬剤性肝炎
一部の薬剤が肝臓に負担をかけることで発症します。
急性肝炎では倦怠感や黄疸、慢性肝炎では症状が現れにくい場合が多いです。
ウイルス性肝炎には抗ウイルス療法、自己免疫性肝炎には副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が使用されます。
肝硬変は、長期間の肝臓の炎症や損傷により、肝組織が線維化して硬くなる病気です。肝臓の機能が著しく低下し、腹水や黄疸、食道静脈瘤などの合併症を引き起こすことがあります。
胆嚢と胆管は、肝臓で生成された胆汁を一時的に貯蔵・排出する役割を持っています。これらの部位に異常が生じると、消化不良や腹痛などの症状が現れます。
胆石症は、胆嚢や胆管内に石ができる病気です。胆石が胆管を塞ぐことで強い痛みや炎症が起こることがあります。
軽症の場合は経過観察や薬物療法を行いますが、重症の場合は胆石除去手術(腹腔鏡手術)が検討されます。
胆嚢炎は、胆石や胆管の詰まりによって胆嚢が炎症を起こす病気です。放置すると膿がたまり、腹膜炎などの合併症を引き起こす危険性があります。
抗生剤の投与や胆嚢摘出術が必要になる場合があります。
胆管炎は、胆管結石が原因であることが多く胆管内で細菌が増殖し炎症を起こす病気です。胆管の閉塞が原因で発症し、高熱や黄疸、腹痛が三大症状として挙げられます。
膵臓は、消化酵素を分泌する「外分泌機能」と、血糖値を調整するインスリンを分泌する「内分泌機能」を持っています。膵臓の異常は、消化不良や血糖値の異常を引き起こします。
急性膵炎は、膵臓の消化酵素が膵臓自身を傷つけることで起こる病気です。アルコールの過剰摂取や胆石が主な原因とされています。
入院治療が必要で、絶食や点滴、必要に応じて抗生剤や手術を行います。
慢性膵炎は、膵臓の炎症が繰り返され、膵臓組織が破壊されることで機能が低下する病気です。主にアルコール摂取が原因ですが、特定の遺伝疾患や自己免疫も関与する場合があります。
生活習慣の改善(禁酒など)や消化酵素の補充、鎮痛剤の使用が行われます。
膵がんは、進行が早く、発見が遅れることが多い病気です。
手術や化学療法、放射線療法が行われますが、早期発見が極めて重要です。
当院では、肝臓・胆嚢・膵臓の病気に対し、以下の診療を行っています。
問診と診察
患者様の症状や生活習慣、既往歴を詳しく伺い、適切な検査を提案します。
検査
治療
肝臓・胆嚢・膵臓の病気は早期発見が鍵です。定期的な健康診断や適切な検査を受けることで、リスクを軽減できます。また、生活習慣の見直し(禁酒・バランスの取れた食生活・適度な運動)が予防に役立ちます。
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