2025年8月04日
機能性ディスペプシアってなんですか?
機能性ディスペプシアとは、胃の痛みや胃もたれなどつらい症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても明らかな異常がみつからない病気です。
この「機能性ディスペプシア」という病気は、近年になって新しく確立したものです。それまでは、機能性ディスペプシアの患者さんの多くは「慢性胃炎」や「神経性胃炎」と診断されていました。本来胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態を表す言葉です。ところが、胃炎があっても症状があるとは限らず、逆に症状があっても胃炎が認められないこともあります。症状があってもそれを説明できる異常がさまざまな検査でも認められない場合、胃に炎症があるなしにかかわらず機能性胃腸症や機能性ディスペプシアと言われるようになりました。

機能性ディスペプシアの原因は、何でしょうか?
症状が起こる原因として
①胃の動きが悪い
②胃の伸縮性(柔らかさ)が低下している
③胃酸の刺激を受けやすくなっている
④ピロリ菌によるわずかな炎症が影響している
⑤脳が敏感に感じやすくなっている
などが考えられます。
また、ストレスも症状の悪化に少なからぬ影響を与えます。いずれの原因でも、胃に対する刺激を脳が敏感に感じているという点では一致します。

どんな症状が出るの?
体が疲れているときや、脂っこいものを食べた時、強いストレスを感じたときなどに、胃が痛んだり、胃がムカムカしたり、胃もたれをする事があります。
機能性胃腸症は、日本人の4人に1人は経験しているといわれるほど一般的な病気です。
どんな検査があるの?
機能性ディスペプシアは他の病気との見極めが大切なことから、さまざまな角度で検査を行います。
内視鏡検査が一般的
多くの施設では、上部内視鏡検査(胃カメラ)を使って炎症や潰瘍などの有無をチェックします。
内視鏡検査は必ず行うものではありませんが、検査することで胃炎・潰瘍・がんなどを効果的に判別できます。
その他の検査はどのようなものがある?
上部内視鏡検査で明らかな病変が見つからない場合は、以下の検査を追加してさらに詳しく調べます。
● ピロリ菌検査
● 血液検査
● レントゲン検査
● 腹部エコー検査
● 腹部CT検査
治療はなにをするの?
➀薬による治療
・胃酸分泌抑制薬
・運動機能改善薬
・漢方薬(六君子湯)
・抗不安薬・抗うつ薬
②生活習慣の改善
・ゆっくり噛んで楽しく食事をしましょう。満腹まで食べず少量ずつ複数回に分けましょう。
・暴飲暴食せず、バランスよく食事しましょう 。
・辛いものや高脂肪食を避けましょう。コーヒー摂取もなるべく控えましょう。
・過剰な飲酒、喫煙は控えましょう。
・適度に運動をしましょう
・過労、睡眠不足に気をつけましょう。
・ストレスをためないよう環境の改善や発散方法の確保をしましょう。
おなかのお悩みがあれば、気軽に坂井クリニックまでご相談ください。